閉鎖空間

ある意識に裏付けられた目的を達成するために、その空間へと入ってゆく。
それは至極自発的な行動であり、自然体へと還る行為である。
何も難しいことはなく、何人にも開かれた空間。
そこへ到達するには、ただその扉を叩き、ただその身を預ければよいのだ。
そして、訪れる回帰。
日常茶飯事なこうした空間との同調。
問題は、その空間からの乖離だった…。
入る事は易かったのだが、出る事は難しい。
蛇の体内でただ死を待つ小動物のように、自分の置かれた状況が理解できず、ただただそこからの乖離を試みる。
閉ざされた空間で、脱出を願い、焦りという名の精神攻撃に耐える。
そして、射す光。
何とか、現状、日常への復活を果たしたわけである。
…。
つまるところが、新幹線で男子用のトイレに入ったら、ドアの開け方が分からなくて、ジタバタしたというわけで。
だって、内側には取っ手ないし、ドアは固く閉まってるし、押すなら押すと書いておいてくれ!!